ぼくらの「6W2H」。


●Why
 ツィッターにフェイスブック、インスタグラム等。便利なSNSが、流行どころか、「あってあたりまえ」「やっててあたりまえ」になりました。
 youtubeや、ツイキャス、その他、編集動画・ライブ動画の配信も、複雑な機材は無くても出来るようになり、受信・視聴も簡単です。SNSとの連携で、より身近にもなっています。
 表現者は、時代の流れに取り残されてばかりもいられませんから、上記のような様々なツールを駆使して、「ものづくり→発信」をする人も増えました。
 子どもも大人も、「娯楽」「文化」を掌に納めて持ち歩ける時代が来ました。
 全てを否定的に捉えるのではありません。「簡単に」感受性を揺さぶる何かが「手近に」あるということは、ある側面においては素晴らしいことでもあるでしょう。
 ですが、薄くなり、軽んぜられることも出来て来ました。「人の手が作り、その人の為に提供されるもの・こと」です。
 漫然とそこかしこに転がっているものの中から、流行っているものを拾って、仲間との交流ツールとして使用する「表現物」。それだけが主流を占めていくことに、危惧を覚えます。
 それは、高かろうが安かろうが、『売り物』です。身近・手軽・持ち歩ける、それらは全て、『マーケット』の形成を助けます。ユーザーは、無自覚に「消費」に馴れていきます。ファストなものだけを消費・受容していくと、クリエイティビティに対する軽視は無自覚に進みます。
 作り手も又、「営利を目的としていない場合」だとしても、「コンビニエント」なものや「ライト」なものが『売れるもの』だと認識し、『売れる』ことを目標にしてモノづくりをする傾向が出て来ます。実際、演劇においても、その風潮は見受けられます。
 けれど、人は遙か昔から、「誰かが自分の為に作ったものを、手から手へと渡され、それを独り占めする悦び」を知っています。「心尽くしに作って、誰かに手渡す悦び」も、知っています。
 今回の「こどもの劇場」という企画は、「心尽くしに人たちが丁寧に創ったものを、子どもや、かつての子どもへと、手から手へと渡す」ことを目的とします。
 希薄になってしまった「原初の悦び」をとことん具体化して、「ファストではないもの」の存在をアピールし、又、知らず知らずに薄まった「手渡されること」の重要性にアプローチします。
 裕福な家庭や、意識的にその大切さを強調する余裕のある人たち、だけが、「心尽くし・手作り」の「良さ」を識るのではなく、大きな門戸を開いて、特に「子ども」に分け隔てなく「出会って」欲しいと思っています。『売る』のでなく、『手渡したい』です。
 「人の手が作り、その人の為に提供されること」を実践するのには、大変な労力が要ります。だけども、それを自覚したうえで腹を括り、「未来の為にやっていこう」という有志メンバーと共に、実現に至りたいと考えます。

●What
 この度の企画に中心メンバーとして集まっているのは、舞台人及び、舞台に興味のある人たちです。
 舞台人は、「舞台表現をする人たち」なので、「生の良さ」を知る人たちです。
 生の良さの一つには、「そこに人が生きる様」を感じられることであると考えます。
 人は「人の放出する熱」に心を揺さぶられます。
 私たちが提供できるのは、「それ」です。
 「人の手が作り、その人の為に提供される、心尽くしの作品群」です。
 その「作品」を「手渡し」します。その「熱」を「手渡し」します。
 催しの仕立てとしては、手作りのお菓子や食事を同時に提供して、本来の意味での「御馳走」の時間を組み立てたいと考えます。

●Where
 本来は日本全国の、もしくは世界中のどこでも展開できることだと思いますが、私たちの多くが奈良県に住まっています。
 また、本部のある大和高田市は、貧困家庭も多く、「放っておかれる子どもたち」の多い地域です。そして高齢化の激しい地域でもあります。独居の方も多いです。なのでまず、「足許」から。

●Whom
 催しのターゲットとしては、「子ども」をクローズアップしますが、それ以外に「孤独・孤立を感じる様々な人たち」にもフォーカスします。
 「分断・分裂」が既にあたりまえになってしまっていますから、「孤独・孤立」を実感していない人も少なくありません。
 だからこそ、その「あたりまえ」を打ち破り、「気づいた」うえで「見つけて・出会って」ほしいと考えます。
 演劇作品としては、小学校中学年以上から大人までに「伝達性」の高い物語作りをします。それよりも若い世代に対するフォローは、演出面で行います。
 また、うたの時間・読み聞かせの時間・遊びの時間、を、演劇上演の時間以外に組み込むことで、全年齢対象のフックを散りばめます。

●Who
 上記で示したようなことに危惧を感じ、もしくはこの行いの趣旨に対して呼応して何かをしたい、と感じる人たちで実践します。
 「お手伝い」の感覚ではなく、これを「私の行動」として捉えられるメンバーで行います。
 vol.1の製作は「演劇実験室◎デラシネ」が行い、vol.2、vol.3として継続するならば、毎度、実行委員会を発足して、ノウハウを継承しつつも、新しい流れを取り込みながら進みたいと考えます。

●How to
 「入場無料公演」に意味を持たせたいと強く思います。
 こちらが『売り』、観客が『買う』のではなく、「来てくれた人」に「心尽くしを手渡す」という理念を持ちます。
 「もとからある何か」に参入するためにお金を支払う、のではなく、「参加費を持ち寄ったメンバー」が、この「催しの流れ」をクリエイトする権利を持つ、という作り方をします。
 なので、作品への出演者・公演の運営スタッフを問わず、ミーティング等を行いながら、催し実現まで一丸となり、製作に携わります。

●How much
 メンバーの参加費と、寄付・協賛金・現物支給のみで、催しを成立させます。
 この度は、出演者・運営スタッフ問わず「関与者」からの「参加費」を一律にしました。
 金額は、主に小劇場演劇に出演する役者・俳優から聞き取りを行い、「ノルマ制の公演作り」の際に役者が「さばき切れなかったチケットに自腹を切る程度の金額」をもとに決定しました。
 この総額に、寄付・協賛金を加えた金額を予算として、非営利の催し作りを致します。
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